2009/12/17 何と夜間に上腕切断の再接着症例が来ていた! [平日]

7:45 ちょっと遅めの出勤か?今日はカンファもないし、手術日なので手足が若干遅いのだ。早く行っても回診に一緒に回るということもないので、特にすることがないのだ。3Fで軽く朝食を摂ってからセミナー室に向かい作業をした。
8:20 もう手術が始まっている頃なので、見学に入ってみる。Dr.Sabapathyが出張しているからなのだろうか?手術日であるにも関わらず、朝から症例がそれ程多くない。
8:30 Dr.Hariが5歳男児の分娩麻痺症例に対して、腕神経叢展開と広背筋の切離→小円筋への移行を行っていた。何とこの症例はニューデリーからの紹介だそうだ。インドではこの病院が腕神経叢麻痺で有名なのだ。かなり症例も多いようだし。手術は神経刺激を行い、損傷状態を確認していた。上位型の麻痺のようだった。外転拘縮があったので、このような手術を行ったとのこと。
9:00 何と、昨晩(PM7:30頃)に上腕切断の症例が救急で搬送されてきたとのこと。
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気を利かせてくれて、MKロッジに連絡して私を呼んでくれようとしていたらしいのだが、何故か自分の所には連絡が来なかった・・・。何とも惜しいことをした。まだ青年だったこともあり、再接着を行ったとのこと。実に残念だ。そんなことなら病院にずっといるんだったと悔やまれる。昨日会議さえしていなければ、暫く病院にいたのに・・・。しかし、せっかくの症例なので、術後の回診や術前・術中の写真などを見せてもらい、事務の人に頼んでUSBにコピーしてもらった。滅多に見ることが出来ない症例だっただけに本当に残念であった。手術はうまいこといっているようで良かった。
9:20 隣の部屋では、前回手術に手洗させてもらった症例(おばあちゃんの足部軟部組織欠損に対するGlacillis muscle free flap術後の植皮術(術後2日目)が行われていた。この類の手術はconsultant医師でない他のDr.が担当するようである。
9:40 BPIの子供は術後に挙上位を保持するために、ゼロポジションでギプス固定を行っていた。腋窩に強度を上げるためにギプスを巻き終わった後の芯を利用していたのは妙案だと思った。
10:00 そうこうしていると、隣にfree flapの症例が搬入されてきた。この症例は外傷後ではなく、squamous cell carcinomaの摘出術後の症例で足背の軟部組織が比較的広範囲に欠損していた。広背筋を持ってくるとのこと。
10:20 足部の血管の展開に入る。実に解剖を熟知しているのだろう。あっさり同定完了となる。ドイツBGのあるDr.は血管同定だけで2時間近くかかっていたこともあったと大きな違いを感じてしまった。いくら細かな血管が縫えても解剖を知らなければ中途半端だということである。
10:40 広背筋採取のため、全身麻酔に移行し体位変換を行う。別の部屋では、外傷後の大腿~下腿にかけての皮膚欠損のデブリと植皮術を行っていた。
11:00 広背筋のHarvestingに取りかかる。Dr.Hariがいつものバイポーラー焼き切りテクニックでさっさと展開していく。重要なポイントは胸背動静脈の同定にある訳であるが、他の部位ではちゃっちゃか突き進んでいる。ものの20分程度で血管のクランプを終了していた。やはりBGと比較してしまうのだが、あちらでは2時間くらい採取にかかっていたかも知れない。自分でも1時間もあれば十分出来そうな気がする。重要なポイントが解ってきたような気がするのだ(想像手術にて)。
11:30 採取した皮弁を足部軟部組織欠損分に固定した後、マイクロを導入する。この固定も何気なく行っているが、血管の緊張や吻合の邪魔にならないように周囲の軟部組織をretractしたりと、キーポイントは多いものと思われる。
12:00 いったん血管吻合に取り掛かってしまえば、後は流れ作業のように早い。血管の扱い方、糸・針の持ち方、縫合のスムースさ、持針器の持っていき方など、一流の手技を見ておくことは、今後自分で行ってみる上で役に立つと思われる。血管縫合の順番は普通に順々に縫合している。途中間が広かったかなと思われる所に追加で縫合を加える。しっかり対側を縫わないように確実に1針ずつ縫い進めている。手の震えさえなければこの程度の血管径ならば簡単な手技なのである。
12:30 血管縫合は終了した。クランプを外す前に、静脈の裂けていると思われる個所を1針追加縫合していた。そこら辺の勘というものが素晴らしいのだと思う。当然、血流良好であった。今日はこの筋弁の上に分層植皮を直接行うようだ。広背筋の場合は同日植皮をするとか言っていた。
13:00 すかさず、昼食に向かう。昼は多めに取ろうと思い、大皿のMealsを頼んだ。今日はライスに大きなチップスみたいなものとパロタ?(ナンみたいなもの)が付いてきてちょっと多かった。
13:30 午後は形成外科の方は特に予定手術はないようだったので、セミナー室でゆっくり過ごす。何やら看護学生たちが集まって何やら喋っていたが、ネットのケーブルだけ貸してくれと言って、一緒にいさせてもらった。しかし、べちゃべちゃと良く喋っていた(もしかして私の良からぬ噂とかだったのか・・・?)。
14:00 整形外科の手術室に入ってみる。小児整形の症例があり、idiopathic chondromalasiaの症例に対して、股関節前外側からのアプローチで関節包切除と部分的な骨膨隆?の切除を行っていた。どうもそこがbumpみたいになっており、屈曲した際に臼蓋側とimpingementするらしい。今スポーツ整形外科で流行りのFAIの概念に似ているなと思ったりした。
14:40 隣では、また脊椎の固定術が行われている。一日に何例も固定術が行われているようだ。おそらく手術も早くて上手なのだろうが、正直あまり見る気になれなかった。申し訳ないのだが適応に関してむむむ・・・。
15:30 形成外科の4F手術室に様子伺いに降りていくと、またもや上腕からの切断症例がやってきていた(ここへ来て既に3例目)。この症例は残念ながら、肘やや近位からの挫滅状態が強く切断術が選択されていた。必ずしも救肢だけが全てではないということを改めて思い知らされてしまう。
15:45 一番端っこの部屋の暗がりで若手のドクター達が集まって何やらしているので寄ってみる。すると先ほど切断になった症例の前腕部分を持ってきて、一生懸命解剖の勉強をしているのだ。昔、自分も下腿の切断症例を使って解剖の勉強をしたことを思い出した。面白そうだったので、自分も参加させてもらった。レジデントドクター達はここぞとばかりに解剖の知識を整理しようとしていた。勉強熱心で感心する。常に向上心なのだな。
16:30 再び整形外科の方に戻ってみると、下腿遠位の粉砕骨折でGustilloⅡの開放骨折だった。何と髄内釘を準備していた。体位は実にやり易そうなsettingで参考になる。踵で支えて位置を変えられるようにしてある。
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イメージのアームが入り易い。スペースが広いというのが良い。骨折部は結構遠位だし、開放だから・・・と日本ならまずは洗浄して創外固定立てておいて、二期的にMIPOでplateか?という症例なのだが。実に思い切った決断をしている。上手くいけば確かに一気に解決すると思われるが。。。やって悪くはないが、philosophyの違いと思われる。手術の見所としては、遠位骨片へのguide pinの刺入の際にcenterに入れるよう注意していたこと。遠位の横止めロッキングスクリューはimageでfree handで刺入していたこと。器械がなくても出来るような技術を身につけておくべきだと思われた。
17:10 隣の部屋では、前腕両骨骨折のORIFを行っている。橈骨の整復に少し苦労しているようだった。骨折レベルはほぼ中央だった。背側からの侵入だった。
17:20 脊椎の固定をしていたが、整形外科手術室は後にして、形成外科の方に戻ってみる。もう終了しているだろうと思っていたが、指神経+指動脈損傷の症例が来ていたようで、マイクロ下に縫合を行っていた。動脈は必ずしも縫合する必要はないかも知れないが、教育的配慮だろうか?もう縫合後で止血や閉創に入っていた。
17:30 Dr. Bharathiとたまたま会って話をしていると、明日が最後の日だから、朝のカンファで何かプレゼンしないか?と言う流れになってしまい、勢い余って、ではちょっとだけと言ってOKしてしまった。まともに英語も喋れないのに・・・。急いでMIPOの発表をアレンジして作り直すことを決意する。
18:00 今日も興味のありそうな急患が来たら是非呼んでくれと言って別れた。そのままセミナー室に向かって、インターネットから画像を取り込んだり、明日のプレゼンに備えることにした。
19:00 もう暗くなっていたが、今日のリクシャーのオヤジ達は60ルピーとか言ったり、MKロッジを知らない風だったので、そのまま歩いて変えることにした。
19:40 Rajaと何回か来たレストランに寄る。バターナン+チキンカレーをオーダーした。
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20:30 ロッジのオヤジとチェックアウトについて話し合った。明日朝チェックアウトして、荷物を夜まで預かってもらい、夜病院から戻ってきたら出ることにしよう。インドルピーが足りなそうなので、USドルで支払っても良いかと尋ねると、今日のレートを調べてくれて計算してくれた。結構話がわかるじゃないか?取り敢えず、USドル分だけ払っておき、明日帰るときに残りを払うことにした。もういよいよ明日出発になってしまったのだな~と改めて実感した次第であった。

2009/12/16 整形外科チームの手術も見学してみた [平日]

7:35 少々遅れて病院に到着。今日も朝のカンファレンスがあるはずだが何となく遅れてみた。ちょうどカンファに向かうドクターと階段で一緒になり(少しホッとする)、セミナー室に入った。すでにDr.Brahthiが何やらプレゼンしている。どうやらカメラの特徴や上手な取り方についてのようだった。どうやらトピックは何でも良いようである。シャッタースピードやら、絞りやらの説明から、逆光の時の上手な写真の撮り方などを説明していた。デジカメは殆どが日本製を使用しているということから、最後に日本から来ている私に話を振られたのだが、上手に切り返すことができず、がっかりしてしまう。。。
8:20 一人セミナー室に残り、インターネットをつないで作業してみる。今日は外来の日だったのだが、整形外科の手術を見学させてもらおうと考えていた。3Fの喫茶で軽い朝食を摂った後、4Fの形成外科の事務室に向かう。
9:00 今日の午前中は、整形外科の手術を見学したい旨を話すと、麻酔科の先生が5Fへつながっている階段を教えてくれた。ひとまず、ここで着替えてから上に行くことになる。Mr. Raviが親切に一緒について案内してくれた。Jeremyが今日で最後だということでみんなで記念撮影をした。マレーシアに帰っての活躍を祈った。
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9:20 脊椎の手術は腰椎の圧迫骨折に対して、インストゥルメンテーションを用いた後方固定を行っていた。圧壊した椎体にはセメントを注入しているようだった。途中、Dr.Jeremyもやって来た。彼も今日は整形外科の手術を見学したいとのことで、今日が研修最終日となるようだ。正直、脊椎の手術の見学は本腰を入れては見れなかったが、全体の雰囲気や看護師の動き、イメージの入れ方などを見ていた。イメージは放射線技師?か誰かが言われた通りに結構マメに動いていた。手技的にも慣れているのだろうか、笑って喋りながら普通に行っていた。看護師も専任のようで手慣れていた。
10:00 隣ではTKAをしているようだったが、また着替えをしなければならないらしく、面倒なので断念する。Traumaの手術はどこでやっているのか?と尋ねてみると、同じ階だが、また別の手術室らしいことが解る。しかし、今の時間そちらではやっておらず、4Fの形成外科のところで幾つか入っているようだということが解る。
10:20 また4Fに戻ってきた。珍しく脳外科分野の脳腫瘍の摘出が始まっている。Neurosurgeonが来てやっている。Assistには形成外科にもいたDr.がしている。何だか扱っている対象疾患が良く分からなくなってしまう。。。しかし、好奇心旺盛な私は、学生実習以来の開頭手術の手術を見学した。すでに開頭は済んでしまっていたので残念だったが、硬膜の切開や、エコーを用いて腫瘍の場所を確認し、穿刺したり、腫瘍を摘出する手技を見ることができた。マイクロ下に行っていたが、結構大胆に行うものなのだな~と感心してしまった。細い血管は凝固していたが、太い血管は温存していた(当たり前か?)。
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10:40 隣の部屋では、Volar Barton+Shaufferの関節内骨折+尺骨遠位端骨折のORIFを行っていた。展開はあまり慣れていない風だった。方形回内筋の処置はちょうど見逃してしまった。PlateはconventionalなシンセスのT-plateでノンロッキングだった。少し時間をかけてしていたようだ。見た目はまだ若そうなDr.(おそらくTrauma team)が一人でしている。その隣では、1歳児の内反足に対する、後内側解離術を施行している(両側)。まずギプス固定をtryしてみることもあるとのことだが、この症例は程度が強いということで手術に踏み切ったのだそうだ。あまり日本では見慣れない症例がこちらでは普通にあるようだ。しかし、小切開で実に手慣れた感じで行っていた。
11:00 救急対応室では、レジデントが看護師とともに火傷患者の包帯交換をしていた。やはり火傷患者の処置というのは大変手間のかかるもののようだ(ドイツのBGでの処置を思い出した)。
11:30 アキレス腱 の開放損傷が準備されている。結構深い創らしく、他の損傷もありそうだとのこと。幸い主要な血管損傷はないようである。内部を展開してみると、FHLの断裂も伴っていたとのこと。TPや後脛骨神経はintactらしい。縫合は方法は、前回の見学時と同様に、ケスラー縫合に辺縁の連続縫合だった(強度的に弱いのに・・)。その分、ギプス期間が長くなるのである。
12:00 麻酔科の先生が、空いた部屋でエコーを用いて伝達麻酔をしている。今後は教育的にも確実性の点からも、エコー下のブロックが浸透していくものと思われる。暫く麻酔が効くまで時間がかかるので、他の準備などをしてから部屋を移動していた。この症例は橈骨遠位端骨折の患者だったようである。
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12:30 更に急患患者が運ばれてくる。こちらはかなり重症で両側下肢の礫創である。左は大腿部でのinternal degloving損傷で末梢の血流は途絶えているようだ。右は下腿以遠の挫滅創であるが、足部周辺はぐちゃぐちゃになっていた。準備しているので、今のうちに急いで昼食を摂ってこようと思い立ち、手術室を後にしてしまった。
13:00 急いで食べて戻ってきたが、もうその頃には左の大腿側は切断された後だった。迷いもなくばっさり落としてしまっている。Repairは考えなかったのだろうか?Ganga hospitalのinjury severity scoreなるものが存在しているようだが、それを用いて切断基準を決めているのであろうか?しかし、素早かった。もうDr.Hariが逆の下腿切断の方に取りかかっている。こちらも迷いなく落とす感じだ。骨の切断にはギグリsawを用いている。Bone sawも良いが、こちらの方が簡単に切れると思った。
13:30 更に上腕骨骨幹部骨折のORIFが始まっている。先ほど橈骨遠位端をしていたDr.がまた一人でしている。先週にも似たような症例があったが、やはりopenで整復してplate固定をしている。アプローチは腹側からの侵入であった。このアプローチだと橈骨神経を展開することはないのである意味楽かも知れない。プレートはブロードプレートだろうか?結構分厚い。斜骨折だったので、まずはlag screwで固定しておき、その後は中和plate固定というconventionalなやり方だ。この人たちは毎日このような仕事をこなし続けているのだろうか?やはり症例数がポイントであろう。日本のように分散してしまうのは、ある意味中途半端なのだ。日本は小~中規模の病院が多すぎるのである。中規模公立病院は統廃合した方が良い。
14:00 足部の軟部組織欠損に対して、Glacillisのfree flapが行われている。執刀は、Dr.Bharathiだった。かなり巨漢の男性でharvestingに苦労しているようだった。閉創役がまだいなかったので、ちょっと不安になっていたが、この先生は私をこき使うことはなかった。幸い、バングラディッシュからの研修生がやって来たので助かった。そう言えば、彼はこの間、ロッカールームに絨毯をひいてしゃがみ込みイスラムのお祈りをしていた。敬虔なイスラム教徒なのだろう。ここではヒンディー教がメインで、女性はみな眉間にTikaという印をつけているし、シーク教(ターバンのドクターがそう)、イスラム教と多様である。日本では宗教のことを考えることなどないだけに新鮮な感覚である。また、足部の血管の展開にあたって、深腓骨神経が縫合時に邪魔になるとのことで、縫合糸を用いてretractしていたが、術後の神経障害が危惧されると思った。この患者にはあまり重要でないとか言っていたが。果たして。。。
14:30 手術の手洗いもたまにはいいのだが、自由に動き回れなくなるのが難点である。今日は色々と移動して見学できる。隣の部屋では、Groin flapの術後3週間で切り離しの手術が入っていた。伝達麻酔+腰椎麻酔で行っていた。Groin flapは思いのほかeasyな手技なのかも知れないと思った。症例を見たことがないと術式の想像がつかないから。一度見てしまうと自分でもやれる気になってしまう。それ程難しくはない。
15:00 もう1例のGracillis muscleのfree flap予定の症例が入ってきたが、足部の軟部組織壊死部分の展開をしてみると、内部が感染徴候があり、骨の切除まで行わなければならなくなっていた。今日はデブリドマンだけに留めて、後日経過をみてから計画し直すとのことになった。それにしてもこの症例に関しては、初期治療をもう少ししっかり行っていればこうならずに済んだかも知れない。固定がイマイチだったし、おそらく清潔の概念が形成外科チームは若干弱い気がする。失敗症例にこそ今後の改善の余地があるはずだと思わなければならない。しかし、本当に忙しいと痛感する。執刀者は手術予定の把握はできているのであろうか?また、学会活動や論文執筆などはいつ行っているのだろうか?不思議でならない。
15:30 再び、Glacillis muscleのflee flapの方に戻ってみる。イスラムDrが真面目に閉創をしている中(かなりゆっくりしている。あまり慣れていないよう)、血管吻合を着々と行っていた。flap側の静脈の1本の径が細く、壁も薄いのでそこは手こずっていたが、その他は順調だった。多少の口径差はあまり拘らずに上手に縫合していた。クランプを外して、血管の拍動が良好な瞬間がこの手術の醍醐味だと思う。多少のleakは(静脈の分岐の処置が甘いと余計な処置を後でしなければならなくなる)修復することになる。Assistがleak部分に生食をflushしながら、leak部分を同定し、縫合していく。倍率は変えずに同じ視野で行うことが手早く仕上げるコツだと思われる。
17:00 今日の手術はだいたい終了していた。たくさんの症例を見たので結構満足。インターネットをしにセミナー室に向かうが、何やら会議をしていたので入ることが出来ず。そのまま3Fの喫茶に向かってチャイ休憩をする。
17:30 時間潰しに病院内をぶらつく。あまり行ったことがなかった2Fや1Fに行ってみる。何と30人くらい収容している大部屋があったのには驚いた。安いのだろうか?そこにいるのは、比較的状態も安定している人たちみたいで活気があった。その他、地下の理学療法室にも顔を出した。それ程広くはなかった。また地下には脊椎のマイクロ実習室が備わっているのも発見した。
18:00 もう終わっているだろうとセミナー室に入ると、まだやっている。今日は諦めて帰ることにする。6Fのレストランで夕食を頂くことにしよう。Parotaというナンみたいなもの+カレー数種を頼んだ。腹八分目にしておいた。
18:30 今日は歩いて帰らず、普通にオートリクシャーで帰った。途中、運転手のおっさんがガソリンスタンドに入っていったので写真に収めておいた。まさかガソリン代まで払わせることはないだろうな?とちょっと訝しがったが大丈夫だった。
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19:00 ちょっと早く帰ってきてすることもないので、洗濯でもしてゆっくりすることにした。

2009/12/15 手術見学の1日、夜は気分を変えて違うレストランに行ってみた [平日]

7:35 今日はちょっとゆっくり目に出発したので、病院到着は遅くなった。すぐに3Fの喫茶に向かい、チャイと揚げパンみたいな物を食べて朝食とする。
7:50 4Fの手術室に向かう。中に入ってみるが、今朝は何だか閑散としている。麻酔科の先生も一人くらいしかいないし、看護師もまだ働き始めていない感じだった。まだ手持無沙汰そうな感じだったので、手術室Nsたちを激写した。こちらの女性は小ぶりな方が多い。ちなみに、カーキ色術衣のNsが麻酔専門Ns.で青(清潔度がより高い部屋の担当)や緑(そうでもない部屋担当)の術衣のNs.は手術室Ns.なのである。
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手術予定表を見てみると、8:15分からと8:30分からが今日の始めの症例のようである。いつもは7:30分には搬入となるのだが。。。後で知ったのだが、今朝は6Fのセミナー室で何やら特別講演があったとのこと(整形外科チームのだが、医師は出来るだけ参加することになっていたらしい)。知らなかった。。。
8:30 そうとは知らずにセミナー室でインターネットをして過ごしていた。また、医師控室にへんてこなラケットのような物が置いてある。尋ねてみると、何とそれはハエや蚊を退治するツールだそうだ。ラケットの網の部分が電熱線になっており、スイッチを入れると熱くなって、それをハエや蚊にめがけてスイングするのだそうだ。その網の面で「ジュッ」と音を立てて、焼き殺してしまうのだそうだ。便利なような。。。
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9:00 もう手術も執刀されているだろうと思い、再び中に入ってみる(イチイチ着替えなければならないのが面倒)。Dr.Sabapathyが小指のGlomus腫瘍(昨日、外来で見ていたた症例。一度他院にて切除術を受けていたが再発したとのこと)の摘出術をマイクロ下に行っている。Nail bedを綺麗にrepairしているようだった。
9:20 両側足部~踵部のDegloving injuryに対して、まずは整形外科医師が腓骨骨折のORIFをしていた。その後に形成外科チームでGlacillis muscleのFree flapを行う予定になっていた。始め、両側するのかと思って凄いな~と思っていたが、本日対側は行わないとのことだった。PlateはSynshesのconventionalなステンレスプレートを用いていた。Imageは全く使用していなかった。確かに直視下なので必要ないか?日本はimageに頼り過ぎなのかも知れない。
10:00 母指IP関節のganglion症例は、IP関節のOA変化が強く、骨棘が著明にみられた。またこの頃になってようやく、マレーシアからのJaminとその友人が現れた(人の良さそうなその友人は整形外科・脊椎の見学に来ていたのだが、今日だけ形成外科チームを見に来たそうだ)。Dr.Sabapathyが準備完了後にやって来て、伸筋腱のterminal tendon部分を遠位付着部を茎にしてV字にcutして関節内を展開していた。余分な骨棘は切除していた。最終的には、指尖部より、K-wireを1本のみ刺入しIP関節固定としていた(軟骨は削っていないし、中途半端な固定のようにも思えてしまったが)。
10:40 足のDegloving injuryに対しては、Dr.Hariがやって来ていて、血管を同定していた。これからGlacillis muscleの採取に入るのだけど、手を洗わないか?と促される(また閉創役になりそうな予感・・・)。これでこちらで3例目のGlacillisのharvestingに立ち会えた。今日もじっくり技を見ておこうと思い直した。Glacillisに入って行く栄養血管の位置がKey pointになる。Adductor Magnusの筋間から立ち上がってくるが、分岐がいくつもあるので要注意である。その他は基本的にminor brunchなのでcutしても問題はない。何となく自分でもそろそろ出来そうな気になってきた。しかし、果たしてそのような機会が訪れるのであろうか?難なく採取が完了し、Dr.Hariともう一人のassist Drは、足部の方の処理に移ってしまう。何も言われてはいないが、やはり閉創担当になっていた。ドレーンを留置しナースと2人で(直介Ns.は2人ついている)しこしこと縫合していった。こちらのナースは術中にあまり表情がないのが特徴で、余計なおしゃべりは殆どしない。2人で黙々と作業しているという何となく変な感じになっていた。インドの片田舎で私は何をしているのだろうかと一瞬頭をよぎったりもする。
11:40 閉創は完了していたので(今日は血管縫合よりも早く終了できた)、暫く足部の遊離皮弁の処置・手技を見ていた。緊張が強そうなところは皮弁の位置をずらして縫合し直したり微調整を行っている。血管に関してはあまりケアしていないようだが、よほど自信があるからなのであろう。この症例は70代女性とのこと。インドでは70以上は結構高齢者の部類に入る。本日、筋皮弁の上には植皮せず、後日に行う予定であるとのことだった。
12:00 小児の指尖部損傷が隣でされている。まだ2歳くらいと小さい。指も小さいが、ルーペのみで、nail bedのrepairなどを行っていた。
12:30 またまた、足部の軟部組織欠損に対する遊離皮弁が始まっていた。こちらの執刀は、Dr.Bharathiだった。もう既にGlacillis muscleのharvestingは完了しており、レジデント医師が一生懸命、ナースと2人で閉創している(自分と同じような状況か?本当はマイクロのアシストをしたいのだが・・的な)。
12:50 血管の剥離などのprepairingに多少手間取っていたので、6Fに昼食をとりに行って来た。今日もMealsという大皿にライスと各種カレーがのった盛り合わせをオーダーしてみた。急いで平らげる。
13:10 再び、free flapの部屋に戻る。マイクロ下の縫合を行っていた。テレビモニターに手技を映してくれるので、大変参考になる。強いて言うと、実際術者が見ている視野とモニターに映し出される視野が若干異なってしまうことである。1本の静脈が血栓を作っていたようなので、Saphenous veinを使用したとのこと。最終的には2本の静脈と1本の動脈の吻合を完了した。1本の静脈は口径差が若干あったのだが、通常通りの縫合のみで終了した。クランプ解除後は静脈の壁の裂け目?よりleakが見られたので、2針追加縫合を加えて事なきを得た。
13:40 こちらの症例は、筋皮弁の上に分層植皮を行っていた。午前中の症例との違いは患者の年齢と術者である。いずれも重要な要素かも知れない。
14:00 Dr. Sabapathyが環指のPIP関節の高度OAに対して、関節固定術を今まさに行っていた。掌背側両方より展開し、拘縮の原因を取り除いていった。基本、骨性要素mainだと思うが。
15:00 何故か、上腕骨骨幹部骨折(閉鎖性)のORIFをここplastic surgery op. roomでしている。執刀医師は整形外科の先生のようである。部屋の関係だろうか?時々あるらしい。ほぼ中央レベルでの横骨折で、腹側からopenで展開していた。髄内釘は殆ど使わないとのこと。Plateは安いしimageも使わなくて良いからだそうである。手術は医師1人で看護師が鉤引きをしていた。しかし、使用していたplateが4.5mmのナロープレートのようだったが、5穴か6穴とちょっと短いように感じたが。。。
15:30 下腿の挫滅創後の創の感染と軟部組織壊死に対して、創のデブリドマンと植皮術が行われていた。執刀は今まであまり見たことがない結構年輩のDrである。おそらくconsultant医師なのだろう。名前は聞けなかった。この病院では、この種の手術がかなり多いように思われる。その軟部組織欠損の程度が酷ければ局所皮弁なり遊離皮弁になる訳だ。デブリには採皮用のカミソリを使用していた。
16:00 急患手術として、小児のアキレス腱 断裂がやって来ていた。これはplastic surgeonが扱うそうだ。開放創である。7歳だそうだが小柄な幼児にも関わらず、腰椎麻酔で行っている。術中は静脈麻酔か何かで寝かせているようだった。縫合は0ナイロン?でケスラー縫合を2回ほど、後は辺縁の連続縫合を行っていた。2週間のAKギプスでその後4週間BKギプスにすると言っていた。その後から徐々に角度を変えて装具で経過をみるらしい。日本の早期運動療法よりはかなり遅れている感じだ。やはり縫合方法に問題があるのかも知れない。細かいことは語らなかったが、マレーシアのDr.Jeremyには日本流を軽く自慢しておいた。
17:00 今日の手術は特に今のところは予定されていないようだったので、ロッカー室で若手Dr.やMr.Ravi(マイクロコースで色々準備やら手伝ってくれた人、もとは手術室の看護士のようだ)などとダベッていた。ヒンディー語で自分の名前を書いてもらうと、Zeの発音がヒンディーのオリジナルにはないようで、考え込んでいた。お礼に彼の名前を日本語で書いてあげると、珍しそうに眺めて喜んでいた。どこの国の人でも漢字は神秘的に映るのだろうか?Raviには「裸美」と書いてあげて、意味深にニヤツイておいた。
17:30 今晩にDr.Sabapathyがトルコのインスタンブールへ出張に行って暫く帰って来ないということなので、Dr.Jeremyと一緒に感謝とお別れの挨拶をしに行った。自分の語学力のなさ(インド英語は聞き取りが難しいのもある)のため、あまり深い会話までは出来なくて残念だったが、人柄も陽気で技術も素晴らしいドクターに会えて良い経験となった。仕事が好きなんだろうなというのが印象であった。忙しそうにしていたので、写真撮影を頼めなかったのが悔やまれる。
18:00 セミナー室でちょっと仕事をしてから本日のお勤めを終了とする。今日はまだ薄ら明るいし、歩いてロッジまで戻ろうと思い立った。
18:30 予想以上に道路は埃っぽいし、クラクションの音が煩かった。途中暗いトンネルを通った時は若干怖かった。見慣れた明るい街並みに出てくるとちょっとホッとする。帰り際に本屋やスーパーに立ち寄ってみた。スーパーではリュックサックを中に持って入れない(入口で止められ預けさせられる)。トボトボと30分くらいかけてロッジに到着した。
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19:00 軽くシャワーを浴びた後、向かいのロッジに長期滞在しているというガンガホスピタルの麻酔科医師の所を訪ねていくが、今日は夜勤業務ということで不在だった。一人でレストランに向かった。今日は趣向を変えて別の場所を探してみた。
19:00 あまり大きくないホテルの一角にあるインド・アジア系レストランに入る。結構綺麗で整頓されているが、お客が一人もいず、少し不安になる。メニューを見せてもらい、値段をcheck。少し高いかも知れないが、諦めてここにした。
20:00 ガーリックナンとマサラマトンカレー、チキンコーンスープとアイスクリームというメニューにしてみた。いずれも予想以上に美味しくてホッとする。満腹となっていたが、目の前の露店でマンゴージュースを買ってロッジに戻った。
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2009/12/14 新しい1週間の始まり。今週からがメインイベントの病院研修だ。 [平日]

7:10 1人で病院に向かう。今日はいつも停まっている場所にオートリクシャーが一台もいない。仕方ないので大通りをぼちぼち歩いて通りかかったリクシャーをおもむろに止めて、病院へと向かった。
7:20 今日はカンファレンスがある日なのだが、セミナー室には誰も来ていなかった。インターネットを繋げてPCを立ち上げていると徐々に集まって来た(やはり若干slow startだ)。今日はレジデントのミニレクチャーがあるようだ。インド人にしては色白の女医さんが口蓋裂について発表してくれた。途中から、Dr。Sabapathyのcheckが入り、色々とコメントを加えていた。この場は、若手の教育的な意味合いもあるのかも知れない。発生頻度はアジア人が1/500、コーカサス人が1/750、アフリカ人が1/2000とのことらしい。男>女で、左:右:両側の割合が6:3:1というのも初めて知った。形成外科の分野なので殆ど関わったことがないので新鮮だった。
8:10 カンファレンスは終了し、皆はそれぞれの仕事(朝食)に向かっていった。私はこのままセミナー室に残り、インターネットをしてみる。しかし、今朝は非常にメールの調子が良くない。受信はできるのだが、送信は何度か試してみるもダメだった。どうも回線が不安定で良くない。
9:00 Dr.Hariに途中でばったり会い、今からOPD(外来)に行くから一緒に行かないか?と言われたので付いていく。午前中は外来見学をすることにしていたので丁度良かった。形成外科外来は8つの部屋があり、consultant doctorがあちこち掛け持ちで見て回る。レジデントの先生方も結構いて、立式でみんなで見ているような雰囲気だ。消毒や包交は基本的には看護師がしている。上の先生は指示を与えながら、治療方針を決定しているような感じだ。たくさんの患者が来ていたが、特に気になった症例を列記してみる。13歳の女性で何かに挟まれて、2-5指のPIP関節以遠の切断症例。術後3週間程度だった。皮膚欠損に対してはGroin flapを用いて再建していた。消毒の際に自分の手を見て悲しいのか?痛いのか?涙を流していた。他にも指の切断症例は多かったように思う(こちらではつなげる技術はあるものの、経済的な点や早期復帰のことなどを考え再接着ではなく断端形成になることも多いようなのだ)。
10:30 20代男性でボクシングをしているという青年の手関節痛の患者は、マレーシアからの研修生(マイクロ研修を一緒にした)のDr.Jeremyがここぞとばかりに自ら診察して、Watson testが陽性とか、S-L靭帯部に圧痛があるとかをレジデントに説明していた。英語が達者だとこういう所でも優位に立てるのか?と羨望とちょっとした嫉妬の眼差し(自分もそれくらい診断できるよという感じ)を彼に向けていた。おそらく大したことはないのだが、Xpでも若干DISI変形あるし、S-Lの離解も僅かにみられる(S-L離解を見やすくするために、何とGrip位での撮影をvisitorの分際なのに彼が自ら指示していた!)。また、レジデントがちょっと手こずる症例は、Dr.Sabapathyの方に回すことになっているようだ。4つずつの部屋が2組あり、片方に難治症例がまとまっているようだった。
11:00 途中、疲れていたところに、Dr.Mahipal(ターバン巻いた医師)がちょっと休憩しようと外来の小部屋に案内してくれた。2人でチャイとコーヒーを飲んだ。彼は1年の予定でここに勉強しに来ているとのこと。給料は7万円/月くらいだとか言っていた。勉強に来たレジデントだから安いらしい。普通はこの2倍はあるとのこと。それでも安いかも(日本円で考えればだけど)。
11:30 他には、小指にあるGlomus tumorの女性や手関節レベルでのほぼ完全切断の術後(手関節機能は全廃)で、いずれ手関節固定を行う予定の患者(只今、妊娠中のため本人が手術に同意していない)などなど盛りだくさんだった。
12:00 朝食を摂っていなかったので、お腹が空いてしまった。昼食をとりに6Fに向かう。今日は、ここに来て初めにオーダーしたオニオンドーサーを再び頼んでみることにした。
12:30 手術室に行ってみる。昼からfree flapの症例があると聞いていたのだ。もう既に、足部の軟部組織欠損に対する薄筋の遊離皮弁手術が開始されていた。執刀はDr.Bharathiのようだった。マイクロを扱うのはあまり見たことがなかったのだが、consultant doctorだから普通にできるのだろう。Glacilis muscleの採取にかかっていた。先日一緒に手洗させてもらった、Dr.Hariよりはゆっくりであるが、確実にじっくり展開している感じだった。栄養血管に分岐が多かったようで、採取にはちょっと時間がかかっていた。まあそれでも1時間くらいなのだから素早い。
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14:00 阻血時間をカウントしていたのだが、血管吻合(静脈2本、動脈1本)で1時間10分程度だった。マイクロ下の血管縫合の手技は実に手慣れていた。Harvestingの方が少し慣れていないのかなという印象。こちらのDr.はクランプ解除後に確認をしていたが、静脈の分岐からリークがあったので止血を行った。私のような初心者はやはり開通後の血管の状態をしっかりと確認しなければならないと改めて思った。
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15:00 他の手術室でもいくつか並列で行われている。その一つに15歳の女性の手掌のsynovial sarcomaの再発例があった。Dr.Sabapathyが執刀していたが、結構wideにresectionしているようだ。Neulovascularを温存し周囲の組織を大きく切除していた。今後二期的に再建を行うとのこと。
16:00 またもこの時間から本日2例目のfree flapの症例が入っている。足背部の一部骨欠損も伴った大きな軟部組織欠損に対して、広背筋皮弁を行うとのこと。まずは、腰椎麻酔で足部の展開を行い、血管を同定しておく。その後、全身麻酔に切り替え、側臥位に変更するのだ。何故このような面倒なことをするのかと聞いてみると、全身麻酔の時間が短い方が安いcostで行えるのだそうだ。それを患者が望んでいるのでやっているとのこと。なるほど、予想以上に経済的な要素が色々な意思決定に大きく影響しているものだと思ってしまう。ショパール関節の脱臼があったのだが、これはK-wireで固定していた(シンセスのElectoric Pen Driveという便利なデバイスを用いていた)。
16:40 広背筋採取の際には手洗いするように言われたので手伝いに入った。Dr.Hariはやはり手技的には荒いが手早い。バイポーラーの焼き切りを多用している。胸背動静脈系をしっかり展開し、前鋸筋枝の方はしっかり結紮する。やはりポイントは広背筋の前方marginをしっかり展開することで、血管茎を同定しておくことである。下方や後方は多少出血してもあまりお構いなしに展開を続けていた。Skin padleもしっかりつけて必要な長さ分を採取する。広背筋後方成分はmuscleでcutしていく。
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17:20 またもや閉創をやることになる。本当はマイクロ下の縫合の手技をじっくりみていきたい所なのだが。。。しかし、与えられたことからまずはこなさねばと思い、先日同様に皮下連続縫合も気合いを入れてやってみた。完璧とは言い難いが何とか綺麗に縫い上げた。しかし、ショックだったのは、閉創の時間と、血管吻合(静脈1本、動脈1本)の時間があまり変わらなかったということである。。。
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17:50 皮膚欠損は24時間後に植皮を行うのだとか。ということは明日するのか?second lookも兼ねてのことだろう。
18:20 まだこの時間でも幾つも症例が控えていた。母指指尖部損傷に対する断端形成で、あまり長さの維持には拘らず、骨を切除し巾着様に縫合していた。こだわる先生なら皮弁でカバーしたいかも知れない。
18:40 隣の部屋では2指(示指・中指)の不全切断が来ていたが、挫滅と汚染の程度が強いということでこちらもamputationにしていた。日本でならまずは再接着を試みても良いかという症例だが(示指はDIPレベル、中指は基節骨遠位レベル)、先ほどの理由により敢えてつなげには行かないようだ。また驚いたのが、患者(まだ10代だろう)が自分の指を落としているのをじーっと見ていたということである。。。どんな気持ちなのだろうか??
19:10 Dr.Sabapathyが幼児のspoke injuryに対して局所皮弁+植皮術を行っている。もう、いい時間なのだし、若い医師に任せれば良いものを・・とか思ってしまう。
19:30 本日、最後の症例となりそうな、月状骨周囲脱臼のORIF症例が始まった。他の部屋ではrun over injury後の大腿部の広範囲皮膚欠損症例の植皮術がもう終わりそうだし。。。またもや、Dr.Sabapathyが登場する。下の先生は来るのをじっと待っていたようだ。取り敢えず展開くらいしてしまえば良いのに・・・とか思うが何も語らない。手根管を開放すると、月状骨の関節面がこちらを向いて存在する。。。完全に押し出されてしまっている感じ。関節包も完全に断裂している(SL靭帯も当然断裂)。デジカメ写真をしっかりおさめた後、tractionして月状骨を押しこむと容易に整復されてしまった。Imageで良好なalignmentであることを確認した。その後、関節包をしっかり3-0バイクリルで縫合した。K-wireでの固定は行わず、術後6週間のcast固定のみにするらしい。日本でもそれ程多くない外傷なので勉強になった。しかし、掌側からだけでも問題ないんだなと思った。
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20:00 今日はここら辺にして帰ろうかと思うと、手術室内の救急対応室に患者が寝ていた。意識があまり良くないようだが・・・。ここは脳外科がないけど対応は大丈夫なのだろうか?いつか、Dr.Hariが麻酔科Dr.が優秀だから外傷の対応が出来ると言っていたのを思い出した。手術室休憩室で手術を終えリラックスしたドクター達とともにパチリ。
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20:30 マレーシアからのDr. Jeremyもまだ残っていたので、6Fで一緒に夕食をとって帰ることにした。ここのレストランは結構遅くまで開いているのだ。彼お薦めのメニューをオーダーして、マウンテンデューを飲みながら一日のお勤めをお互い労いながらゆっくりと食事した。
21:10 ちょっとセミナー室によってメールチェックした後、ロッジに戻った。今日はちゃんと部屋が綺麗に片づけられ掃除もされていた。月曜日から結構長い一日だった。。。

2009/12/11 コース最終日、参加者だけで打ち上げをする [平日]

7:30 Rajaが今日は遅めにしようというのでゆっくり出発となった。25分から待っていたのだが・・・
7:45 病院についてセミナー室に寄ってみると何やら講義をしていた。Rajaは知らなかったみたいだ。取り敢えずもう始まってしまっていたし近くに椅子がなかったので机に寄りかかって後ろの方で聞いていた。
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内容は形成外科的な手術の内容で、特にscarp replantationというのが凄かった。若い女性が長い髪の毛を何かに挟まれて頭皮ごとデグロービングされてしまうという症例。まるでカツラのように髪の毛と頭皮が引き剥がされてしまっている。この症例に対して血管吻合を行って移植したとのこと。実に見事に治っていた。しかし長い髪の毛をそのままにして危険な作業をしている所に近付いているという、この安全意識の欠如というものが如何なものか?まだまだインドは作業管理、作業環境管理に大いに改善の余地がある!
8:20 手術室に向かってみる。今日は手術日ではないので朝からは殆ど症例がなかった。口腔外科領域の外傷に対するデブリドマン、縫合が行われていた程度。しかし急患手術はいつでも入ってくるので暇ということはないと思う。DrたちはOPD(外来)に向かっていた。仕方がないので、他の病棟をぶらついてみた。そう言えば日本から来ていた脊椎のfellowの先生達はどうしているかな?と思って面会に行ってみる。すると、昨日までで今日はもう来ていないとのこと。せっかくインドで日本人に会ったのに殆ど会話もせずに別れてしまった。
3Fの喫茶スペースで簡単な朝食を済ませる。
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9:00 マイクロ実習室に向かう。今日で最後だ。何となく今回は自分の不甲斐なさに打ちのめされている感じ。ラットで何とかできるくらいでは実際の臨床ではまだ不安である。少しずつでも歩みを進めなければ。頚椎由来のしびれ持ちで、微妙な震えがなかなか克服できない自分は基本的に向いてはいないのか??しかし、いつの日かそれに打ち勝たなければならないのだ。今日は、end to side anastomosisの練習だ。この細い血管で行うのだから、自分には難易度は高い。いつものようにまずはDVDで学習する。Continuous sutureなどのテクニックも述べられていたが、まずは基本に忠実に行わなければなるまい。
10:00 こちらの病院では日に何回か一瞬電気が切れることがある。インドの電気事情なら仕方がないかも知れない。だいたい10秒もかからずに復帰する(自家発電にでも切り替えるのだろうか?)。これは病院だけに限ったことではないようだ。そういう時は真っ暗な中で一瞬耐えなければならない(何故かマイクロの電気だけはついているのでまだ助かるのだが)。
10:30 epigastirc veinをfemoral arteryにend to sideでつなげるわけだが、まずは一つミスを犯す。Arteryを先に穴を開けてしまったので、つなげる予定の静脈が届かなくなってしまったのだ。。。開けた穴をまずは塞いで(5針)、再度静脈が届く位置に穴を作り直すという余計な手間がかかってしまった。時間はかかったものの、Rariのアシストにかなり助けられながら、1本目は成功した。
11:30 休憩でまたOPDに寄ったり、チャイを飲んでから再び戻ってくる。今度はfemoral veinを使って再チャレンジすることにした(同じ側で)。今のところ先ほど繋げたA-Vシャントは拍動も良くしっかり機能している。臨床的には有り得ないが、同じ動脈にもう1ヶ所end to sideしてみることにする。静脈は長いように見えてcutするとふにゃふにゃになり、意外と短くなる。余裕を見て動脈に穴を開けてみたが、結局はぎりぎりの長さだったため、手元のエッジを縫うのが難しかった(アシストがなかったので)。手の震えも微妙に良くない。左側から動脈壁をout side inするのがどうも苦手だ。
12:40 多少leakはあったが開通はまずまずだった。しかし同じ動脈を3ヶ所も吻合しているので、血流は停滞気味だ。臨床的にはいずれ血栓を作ってしまうのかも知れない。また動脈の流れに逆らって静脈をend to sideでつないでいることも影響しているものと思われる。
13:00 昼食に向かう。今日はサフランテイストのライス+カレーにしてみた。色んな味を楽しめるのも良い。もう5日目だが、何となく食事の雰囲気はつかめてきた。
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13:40 今日はアイスを購入して、6Fの日当たりのよい踊り場でゆっくりしていた(1Fから天井まで吹き抜けになっており、天井には半透明な屋根がついている)。そこはビニルハウスのように温かい。ちょっと体を伸ばして横になってみた。気持が良くリラックスできる。こちらに来て睡眠は結構取っているのだが、なかなか疲れが取れないのだ。10代・20代の時に一人で行ったアジア旅行の時とは体力の回復が違うなというのが実感である。適度な運動とメンタル的に良い環境を保持することが今後は重要かも知れない。
14:00 最後の午後の実習に入る。対側を改めて展開し、今度は始めから、femoral veinをarteryにend to sideすることにした。途中、Dr. Sabapathyが見回りにやって来てくれた。それぞれのマイクロに立ち寄って何やらコメントしてくれている。自分のは2ヶ所も同じ動脈にend to sideでつないでいるのを見てびっくりしていた(あまり褒められたものではない)。このように世界から来ている実習生にやる気と自信を与えているのかも知れない。
15:20 途中、Mr.Rariが支払いの件でクレジットカードナンバーを控えるとか、コピーするとか面倒なことを言われ中座させられて乱れたが何とか終了する。
15:50 最後に参加者4人で病院理事長の所に挨拶に行くことになった。そこで終了証明書が貰えるようだ。一言二言ずつ挨拶させられ最後に記念撮影をした。
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16:20 まだ少し時間があるので、最後に初心に戻り動脈吻合を短時間で手際よくやってみることにした。縫合糸が長いのが難点だったが、だいたい7-8針で15分程度で縫合できるようにはなっている。糸はケチらずに短めでする方が良いし、針の切れ味も落ちるので場合によっては針穴も広がるので新しいのに変えた方がbetter。
16:50 今日は夜に参加者だけで打ち上げをすることにしていた。See you laterと言ってそれぞれ別れていった。
17:30 ちょっとチャイ休憩をしてから、インターネットをしにセミナー室に向かう。
18:00 ちらっと手術室を覗きに行ってみたが、今日の手術はもう終了しており、今のところ急患手術もないようだった。
18:30 いったんロッジに戻っても良かったのだが、面倒になりそのままセミナー室で溜まった日記を思い返してつけることにした。
19:20 オートリクシャーで指定されたレストランのあるThe residency hotelに向かうことにした。結構遠くて(10Km離れているとか言っていた)、大通りも通るし大きいトラックやバスの間をすり抜けていくし、運転が荒くて結構怖かった。20分程度で到着した。
19:45 指定された所はホテルの地下にあった。バーになっており途中そこにたどり着くまで何回か警備員がいるというsecurityのしっかりした所だ。しかも写真撮影禁止になっている。まだ誰も来ていなかったので暫く一人で待っていた。
20:00 UKの2人組がやってきた。彼女らは初日に一度ここに来ているのだそうだ。さすが、バーの盛んなイングランドだけはある。まずは食事前に軽く飲もうというらしい。2人はカクテルをオーダーし、私はインドのキングフィッシャーというビールをオーダーして乾杯となった。まだマレーシアからの彼は現れず3人でだべっていた。この頃は結構話題もあったので喋っていたのだが、後でマレーの彼(名前を忘れてしまう)が来たら、Nikola 4割、Malay君3割、Milap2割、自分1割くらいの会話量だったかも知れない。Nativeにはなかなか会話が対応できないのがもどかしかった。もっと意思の疎通ができたら、もっと色んなことが解り合えるのにと残念になる。改めて英会話力の向上に努めなければならない!!
21:00 バーではチップスとナッツしか出なかったので上の屋外のレストランに場所を移すことにした。アフガングリルという名前で由来は良く分からない。プールサイドにテーブルがあり、辺りは熱帯雨林調の作りでランプも灯っていて雰囲気は良かった。こちらではかなり高級な部類なのだろう。
22:00 各種食べ物をそれぞれがオーダーしみんなで分けて食べるようにした。こちらの料理の基本はカレーでチキンだったり、マトンだったり。それに焼き飯のようなもの、ドーサーやナンの類だ。かなり頼んでしまい満腹になる。
23:00 飲み物はビールだけだったが、結構飲んだかも知れない。レストラン入口で記念撮影をしてそこを後にする。お勘定は一人750ルピーずつだったので、こちらではかなりの高額なのだろうが日本円では1500円なのでそれ程高いとは感じないのが不思議である。帰りはタクシーで乗り合わせて帰ることになった。
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23:30 そのタクシーはボックスタイプでメーターもついていた。それ程高くはなかった。Milapはここで最後となるので握手をして別れた。ロッジのおじさんは受付にベッドを入れて寝ていた。いつもここで寝ているようだ。誰かが帰ってきたら起きて鍵を開けてくれるのだ。結構大変かも知れないと、酔った頭でちょっと同情してしまうのであった。

2009/12/10 コース4日目、今日は手術見学も結構できた! [平日]

7:20 Rajaがなかなか現れなかったので少し遅くなった。解ってはいるのだが、こちらの人はたいがい時間には若干遅れる傾向にあるのだ。
7:40 病院到着し、そのまま手術室に向かった。今日は手術日なので朝から結構たくさんの手術が組まれている。まずは、口蓋裂の幼児に対する形成手術が行われている。この分野は全くの素人であり、始めてみる手術だった。上口蓋の骨性の欠損はあるものの、皮膚を上手にcutしてつなげ合わせていた。まさしくplastic surgeryである。
8:20 隣の部屋では、外傷後の母指内転拘縮の対する解離術と後骨間動静脈を用いた有茎の皮弁でカバーしていた。Dr.Sabapathyが説明してくれながらゆっくりやっていても、挙上だけで20分もかかっていなかったと思われる。やはり手慣れているからだろうが、迷いが殆どない。素晴らしい!!
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9:10 ちょっと時間をオーバーしてしまったが、朝から良い手術が見れて良かった。9時の時点でもう目処が付いているというのも凄い。マイクロ実習の方に向かった。
9:15 ラットの準備も終わり、DVDの学習から始まる。今日は静脈移植の練習であった。Epigastric veinを移植用に用いるのであるが、この径がかなり細いし壁も薄く結構難易度は高いかも知れない。昨日の静脈吻合はあまりいいところがなかったので、今日は始めから気合いを入れていた。
9:45 展開も4日目ともなると結構手慣れている。展開まではどうやら4人の中では一番早いようだ。しかし、マイクロを導入するとそのアドバンテージも殆どなくなってしまうようだ。まあ当然早くても結果が伴っていなければ仕方のないことではあるが、着実にミスをなくすということが早く仕上げるコツであろう。簡単なことをコツコツと積み上げるということが重要。自分は高度なことは出来なくても良いと思っている。
10:30 今日はなかなか快調に進行している。自分的にはかなりメンタルな要素が手技の良し悪しに影響するようだ。今後はメンタルコントロールも必要になるかも知れない。一発目でいきなり成功したので気を良くする。やはり静脈移植とは言っても片方は動脈なので静脈同士よりは簡単かも知れない(場所が2ヶ所になるだけで)。
11:30 チャイ休憩をはさんで再開する。まだ時間があるので、今度は昨日調子悪かった静脈吻合を再tryしてみる。大腿静脈はまだ無傷なのでそちらで行ってみる。テクニシャンのアシストを受けながら、こちらも何とか出来た。やはり手の震えさえなければeasyなのである。
12:30 一人で6Fのレストランに向かう。今日は気分を変えてライス系にしてみよう。Curd riceというのを頼んでみた(どんなものかは想像できず)。やってきたのはおじやの様なものだった。昨日からちょっとお腹の調子も良くなかったので丁度良いかも。味は適度についているが、辛いピクルスのようなトッピングもあった。ぺろりと平らげた。まあ当たりの方かな。
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13:30 少し早いが実習室に戻る。まだ他の3人は戻ってきていなかった。基本的に時間は自由なのだが、だいたい昼休みが13時~14時くらいの感じになっていた。その間はテクニシャン(Mr. Rari)も居なくなる。それ以外でも時々居なくなることはあるけど。。。対側の方を展開して午後の実習に備えておくことにしよう。
14:10 ぼちぼちと仲間たちが帰ってきた。UKの2人組はどういう関係なのか?(女医のNikolaは35歳、2人の子持ちで旦那さんも医者だということだし、独身のMilapは28歳で結構自由な感じだし)とか勘ぐってしまうがたまたま一緒になっただけなのだろう。おそらく。午後も午前中と同じことを繰り返す。午後は疲れが出てくるので手の状態が心配だった。しかしいつでもスタンバイOKの状態でなければ実際の臨床では厳しいかも知れない。15:00 もくもくとこなす。移植静脈は今度はより太い大腿静脈にしてみる。こちらの方がeasyなハズだったが、調子は悪い。静脈壁のエッジがふやふやしているのでその処理に手間取ってしまう。
15:30 かなり時間をかけて縫合できた。少しleakがあったので、fatでカバーして若干待ってみる。ついでに休憩を取る。
16:00 直後の開通はまずまずだったが、patecy testでは膨らみがイマイチ。縫合部で血流が乱れているのだろうか。この調子ではいずれ血栓を作ってしまいそうだ。またしても・・・、こちらの方が出来て当然なハズなのに。。。。がっくり来てしまう。調子を崩したので、その後は流してしまった。
17:30 インターネットをcheckしようとするが、昨晩一度crashしてしまったので設定をもう一度し直さなければならなくなった。申し訳ないが、もう一度事務の人に立ち会ってもらい設定する。
18:00 ちょっと手術室を覗いてみると、指の挫滅創や両足のデグロービング(しかしどうやったらこんな怪我をするのだろう?)、胸椎の脱臼骨折の完全麻痺+両下腿の骨折という多発外傷症例まで実にバラエティに富んだ外傷がやってきている。ドクター達はひたすら手術をこなしている。さすがにこれらは下級医師が執刀していた(consultant医師が随時見回ったりしている)。洗浄の際に使用していたコンパクトな流しのような物は実に機能的で使い勝手が良さそうだった。日本で試してみても良いかも知れない。
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19:15小腹が空いてしまったので、6Fで夕食を頂くことにする。マサラドーサーというものをorderしてみた。お馴染みのドーサーの中にカレー風味のポテトがはさんであり、数種類のカレーが添えられていた。オニオンも良かったが、これもなかなかイケテいた。
19:40 少し遅くなったが、ロッジに戻った。今日のオートリクシャーのオヤジは結構年輩で道も良く知らないし(何度も周りの人に聞いていた)、運転はのろい上に結構ガタガタと揺れる(リクシャーの性能や年代に問題があると思う)。帰りつく頃にはかなり疲れが溜まってしまった。
20:10 Rajaの部屋を覗いてみる。また部屋でちょっと雑談をして過ごす。途中、お父さん(内科の医者とのこと)から何度か携帯に連絡が入り中座する。何だかんだと小言を言われているようだった。どこの国でも幾つになっても親からお叱りを受けるものなのだろうか?
20:40 今日は疲れたので外には出ず、このまま部屋に戻ることにして別れた。

2009/12/09 コース3日目、インド人医師と夕食へ [平日]

7:10 今日はイタリアからの研修生とRajaと3人で病院にオートリクシャーで向かうことになった。イタリアからの彼も2ヶ月間ここのロッジに泊まっていたようだ。今日で研修最後で、今晩の飛行機で帰国するとのことだった。
名前は聞いたのだが忘れてしまった。
7:20 やはり3人乗りだと結構パワーがないのできつそうだった。今日は自分が50ルピー払っておいた。
7:30 セミナー室で、今日は特別講演(カナダから病院見学に訪れていた結構風格のある女性医師:Feehan先生とか言っていた)があった。実はこの講演、知らずに彼らにくっついて行ったらたまたまやっていたのだ。手の領域の骨折後の早期リハビリテーションについて話をされていた。40分くらいの比較的長い内容だった。
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8:20 そのまま手術室に向かって見学をする。今日は手術日でないのでそれ程手術が予定されていなかった。手根管症候群の横手根靭帯切離術(神経剥離)を行っていた。Dr.Sabapathyが執刀する(そう言えばあまり下の先生が執刀しているのは見たことがない)。皮切は小さくもなく、大きくもない普通の感じだったが、結構近位まで延びていたので、pillar painのことを聞いてみるとたまにあるくらいとのことだった。滑膜は結構しっかり切除していたが、神経はそれほど弄ってはいなかったよう。
9:00 マイクロ実習室に向かう。まだテクニシャン(名前を聞いたが忘れてしまった)がラットの準備をしている。UKの2人もまだ現れていない。
9:15 DVDをまずは見る。今日は静脈縫合の練習となっている。静脈は壁が薄いので縫合しづらい。一通り内容を学んだ後に実習に入った。
10:00 ラットの大腿静脈を同定し、幾つかの分枝を結紮してから吻合へと取りかかる。血管拡張薬は動脈にはeffectiveだが静脈にはそれ程effectiveではないよう。今日は出だしの調子が上がらなかった。静脈吻合時には生食を満たして腔を充満させてからでないと、壁同士がくっついてしまうため縫いづらくなる。また針をうまく使って壁を広げるようにすると比較的楽である。またあまりmarginから遠い位置よりtightに縫合すると、内腔で襞になってしまうので、術後の静脈血栓を形成し易くなるので要注意である。
11:30 休憩がてら外来見学に向かう。Dr.Haiが4つの部屋を使いながら(下級医師が診て、その後に色々と補足していくような形)、何人も患者をさばいている。
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外では患者があふれかえっている。Dr.Sabapathyはまた別の部屋でVIPみたいな人をじっくり診たり、話を聞いている。少ししか覗けなかったので詳細は不明である。その後、救急外来などもみながら、お決まりのチャイを購入した(8ルピー)。
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12:00 再び戻って再開する。しかし、今日は調子が良くない。昨晩食べたバナナの皮に乗った食べ物を右手で使って食べたのが影響しているのだろうか?お腹のあたりがごろごろして落ち着かない。何度か途中でトイレに向かうハメとなる。しかし、それ程強い下痢症状ではないので良かった。昼食はあまり取らない方が良さそうだ。他のメンバー達とは昼の行動は別にした(ミネラルウォーターとチョコレートのみで昼は我慢することにする)。
14:00 午後の部も再開する。両サイドとも2回ずつ行ったが、何とも2勝2敗・・・。どちらも一発目が調子悪い(条件は良いはずなのだが・・・)。こんな調子では実際の臨床でこのレベルの吻合はまずいかも知れない(指背静脈の中節骨レベルくらいか?)。今日は本当に気合いが足りなかった。
17:00 あまりいいところなしで今日一日を終えた。こういう日は無茶をしない方が良いようである。今日は夕方の手術見学はやめて、インターネットをしてからロッジに帰ることにした。
19:00 ロッジにオートリクシャーで戻った。今日の運転手は道も良く知っていて手慣れていた。またもや到着時にボールペンを差し上げた。50ルピーだった。
19:30 Rajaの部屋に行ってみる。今晩は一緒に夕食にでも行こうということになっていたので。。。部屋に入るなり、まあ座れという感じで通されて、暫くだべっていた。夕食はどうする?って感じでようやく動き出した。結構話好きな彼であった。
20:10 ロッジから歩いて5-6分の所にある、ちょっとこぎれいな感じの地元のレストランに案内してくれた。どうやら彼がロッジの人とかにに聞いて知ったお薦めの所のようである。二階に通されて、まずはメニューを見る。こういうところは英語表記もあるので安心だ。料金もリーズナブルなようだし。
20:30 彼が私のリクエストを聞いて(スープか?チキンか?辛くないのがいいのか?みたいな感じ)アレンジしてオーダーしてくれた。まあ今日は任せてみよう。まずは炭酸入りレモネード(甘い)がきた。結構イケル。次にこちらの焼きそばのようなもの(ヌードルは白い、野菜やチキンも入っている)。これも味付けが日本人好みで美味しい。更にチキンの南蛮風のような味付けで上にココナッツ?ヨーグルト?みたいな白いソースがかかっている(酸味があって独特でまあまあイケル)。肉は柔らかくて美味しかった。ということで、彼がオーダーしてくれた料理は外れがなかった。彼曰く、だいたい好みは解るよ!とのことだった。彼の満足げな感じの笑みが良かった。
21:20 結構ゆっくりと過ごさせてもらった。最後にミント風の米粒のようなデザート(口直し?)が出される。幾つかつまんでみた。口臭予防と消化を助けてくれるのだそうである。なかなか面白い。
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21:40 途中露店でミネラルウォーターを購入しロッジに戻った。かなり満腹になってしまった。しかし、こちらに来てからまだアルコール類は一滴も飲んでいない。
22:30 風呂にも入らず、テレビをつけたままベッドで寝てしまっていた。途中、1:00頃目覚めて、シャワーを浴びて再度就寝した。

2009/12/08 コース2日目、夜は一人で地元の料理屋に行く [平日]

7:00 今日は事務の人が送ってくれる訳でなく、オートリクシャで病院に行くことになった。ちょうど同じMKロッジに泊まっているインド人visitor doctorのRajaも現れたので、一緒に乗って行くことになった。
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7:15 今日は彼が支払いしてくれた(40ルピー)。私がまだインドルピーを持ち合わせていなかったので。
7:30 今日は手術日みたいで症例豊富なようだ。早速見学することにした。1例目は、Dr.Rajaが小児の分娩麻痺(腕神経叢損傷)に対する、腕神経叢の確認・神経刺激などを行っていた。まだ2歳だったので、組織もかなり小さかったが、手早くルーペのみで(ここのplastic surgeonはだいたい4-5倍のルーペを使っている)展開していた。途中、Dr.Sabapathyが入って来て一緒にしていた。大事なところだけ立ち会ったくらいで後はDr.Hariに任せていた。彼にはかなり信頼を置いているように見受けられた。
8:30 隣の部屋では、先天性の多合指症の19歳の女性のweb形成術が予定されていた。腕神経叢ブロックのためawakeだった。昨日夕方の回診で見せてもらった患者だった。見た目は字なんか書けそうにもないのだが、練習によってかなり上手に字を書けるようになっているみたいだ。両手なので生活はかなり大変と思う。日本ではまずお目にかかれないような症例だ。
9:00 そろそろマイクロコースが始まってしまうので、手術室を後にする。途中図書館を通り過ぎる。暇があったらいつか覗いてみたいなと思った。
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9:10 今日からラットを用いた実習が始まるので、テクニシャンが麻酔をかけたり準備をしてくれていた。昨日同様、まずはDVDビデオをみてから開始となる。
9:30 ラットの扱いや麻酔のかけ方、ラットの大腿動静脈などの血管のdissectionの仕方など細かい説明を受ける。このコースでは基本的には大腿動静脈系のみ使用することになっているようだ。ここでは贅沢に1日が終了すればそのラットは処分してしまうようだ。1匹は3000円くらいらしい(こちらの物価ではかなり高価な方だと思うのだが・・・)。
10:00 早速、実習に入る。これからは生き物相手なだけにやはり気合いが入る。麻酔が足りないようで、途中、キーキー言って動く。クロロホルムをかがせたり、麻酔薬を増量したりで対応する。大腿動静脈の展開は新潟でもしていたことがあったので慣れていた。しかし、こちらのラットは小ぶりなのか、血管径が細いような印象である。新潟では使用しなかった血管拡張薬まで使用するらしい。今日は動脈吻合である。血管壁がしっかりしているだけにこの程度は縫えて当たり前なのだが。。。意外と手こずってしまう。変に力が入る癖があるので、時に震えが来てしまう。その原因は、血管径の細いより遠位側でわざわざしてしまったことによる。おそらく径は1.0mmない(0.8mmくらいか?)と思う。Dilatorのピンセットがなかなか入らないくらいだから。結果は時間かかったものの何とか成功する。しかしこの程度ではまだまだ道のりは遠い。。
11:30 休憩でチャイを飲みに行く。甘過ぎるのだが何だかクセになってしまいそうな味かも知れない。その後院内を勝手に動き回りデジカメで写真を目立たない範囲で撮影させてもらう。遠くよりNs軍団やサリーを着た事務の人達を盗撮してみた。。。
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12:00 再び実習に戻る。ラットが時々動くので麻酔薬を適宜追加する。今度は近位側をもう一度縫合してみることにした。先ほどより径も太くなりやり易かった。何とかこちらも成功することができた。しかし、もろもろの一連の動作にはまだまだsmoothさが足りないように思う。大事なことは周辺環境をしっかり整えた上で吻合に入ることだと思う。準備が悪ければそれだけ手間取るので、始めが肝心ということだ。
14:00 少し遅れて昼食に向かう。セミナー参加者4人一緒だ。今日はライスにカレーを頼んでみた。いわゆる日本のカレーライスではないが、色々な味(基本辛い・・)を少しずつ楽しめるので面白いかも知れない。
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ミネラルウォーターのボトルもオーダーする。支払いはサインだけしておけば、最後に清算してくれるというシステムになっている。しかし手書きだし、ちゃんと間違わずに集計してくれているのかどうか不安にはなってしまうが。。。ドクターはみんなそのようしていたので真似しておく。
14:30 午後は逆側を同じように展開して吻合練習を行う。疲れてきたこともあり、午前中のようにペースが上がらなかった。
15:40動脈をいったん切り離し、また吻合するということもしてみた。Settingに時間がかかったし、手の震えが大きくなってしまったこともあり、残念ながら、patency testでイマイチの膨らみになってしまった。これは失敗例になると思われた。臨床的には、このままだと血栓を作ってしまいそうなので、同部を切除し、静脈移植を行えばリカバリー出来るかも知れないとか思っていたが、時間もなくなり本日は断念する。
17:00 本日のコースも終了となった。手術に向かいたいところではあったが、今日は何としてでもインターネットに接続出来るようにしたかったので、事務の担当の人に聞いてみて、自分のPCでインターネットが出来るようにsettingしてもらった。
18:00 セミナーホールにあるLANケーブルを自由に使用させてくれるということになったので一安心。しかも24時間出入りは自由にできるということなのでラッキーだった。たまっていたメールcheckなどを済ませることにした。
19:00 インドのDr.Raja(デリー周辺の病院に勤務しているそう)がもし時間が合えばMKロッジまで一緒に帰ろうと言っていたので、医師居室付近をうろうろしていたが見当たらないようなので断念する。引き続きセミナーホールで仕事する。
20:00 さすがにお腹も空いてきたのでロッジに戻ることにした。病院前でオートリクシャーを見つけて戻った(値段交渉せずに乗ってしまった)。
20:20 着いてから40ルピー渡すと何となく不服そうだったが、ボールペンを2本あげると何だか納得して帰って行った。
20:30 Rajaの部屋を見に行くと、彼は少し調子が悪いのだとか言っていた。食事でもと誘ったが今日は遠慮しておくとのこと。明日一緒に行こう!ということになった。
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21:00 仕方なく、ロッジ近くの店で一人で地元の客に交じってバナナの葉っぱに乗せたドーサーと各種カレールー、チキンの煮込みを頼んだ。あまり衛生的でなかったのが後で災いする。。。熱を通しているのと水は飲まなかったのだが・・・。
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22:00 近くでジュース(マンゴー味だったのだが予期せず美味しかった)を買い、歯磨粉を購入してロッジに戻った。何だか今日も何もやる気がおきず、そのままベッドで寝てしまっていた。結構、こちらでは生活するだけで疲れてしまう。慣れていないせいか?気候のせいか?体調管理だけはしっかりしておかねば!!

2009/12/07 ガンガホスピタル初日、夜は教授宅でディナーパーティー [平日]

7:00 ロッジの受付で病院の人を待っている。ロッジのおじさんにもその旨を伝えてあるのだが、なかなか現れない。電話してくれているようだが、もう少し待ってくれと。結局は20分待った挙句に、病院の人は来ずにロッジのおじさんが病院まで連れて行ってくれることになった。何ともまあ~。。。
7:40 2週間お世話になるガンガホスピタルが見えてきた。外観は結構近代的に見えるが、その周りはバラックの建物などお世辞にも綺麗とは言い難い所だ。病院入口で下してくれた。受付で今日から研修でお世話になる者だと告げ、Dr.Raja Sabapathyに会いたいと言うと、暫くそこで待っていてくれとのこと。
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暫くすると、写真で見たことがある、Dr.Sabapathyと、台湾高雄で会ったDr.Hariが出迎えてくれた。4FにあるPlastic surgeryのセクション(手術室に直結している)に案内され、 さっそく日本からのお土産を振舞った。挨拶もそこそこに、これから朝の回診に向かうということだったので一緒にくっついて行った。幸い白衣も持ってきておいたので良かった。
8:30 途中でインドやカナダからのvisitor doctorや同じくマイクロコースに参加するUKの2人組とマレーシアからのドクターにも会った。何とも国際色豊かな顔ぶれであろうか?更に2カ月程度滞在しているというイタリアからの研修生もいた。こちらは、相手の名前は一気には覚えられなかったが、自分から名刺をすかさず渡していたので、相手はユーキチと呼んでくれるようになった。
9:00 てっきりマイクロコースは来週だと思っていたが、どうやら今週になったらしい。参加者は私含めて4人だ。2人以上になったら随時コースを開催しているようだ。私の場合は他の人たちの都合に合わされたのかも知れない(ちなみに来週のコースはないそうだ)。院内の設備を簡単に説明してもらった後に地下にあるマイクロ研修用の部屋に案内された。
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始めだけ、Dr.SabapathyとDr.Hariがやってきたが、後は担当のテクニシャン(コースのない時は手術場で働いているとのこと)が説明してくれたり、もろもろの準備を行ってくれる。
9:40 初日はマイクロの基本についてであった。まずはDVDのビデオを用いて説明を受ける。かなり細かいことまで(メンタル的なことや手の置き方なども)説明がなされる。新潟手の外科で練習した時のことを思い出す。あの時はかなり出来る気になって帰って行ったけど、その後症例がとんと来なくて、稀に来ることがあっても思い出すのに時間がかかるという感じだった。やはり常にある程度はしておかないと手が鈍るのかも知れない。
11:00 実際にマイクロを使ってまずは手袋のゴムの避けた場所を縫うことから始まる。正直したことはあるのだが、素直にやってみる。8-0ナイロンなので太目だ。意外にやりにくい。やった後で裏から縫い目を見てみると、何と乱れている!!こんな筈ではないのに・・・とか思いながら、気を取り直してやってみる。やはり手始めは良くないようだ。こんな調子では臨床の場でたまに来た症例をやっても、その患者さんが不幸だ。思い出すまでに時間がかかる何て!!以前やったことがあっただけに正直ショックを受けてしまう。
12:00 途中で休憩があり、6Fのレストランに行ってインドの名物チャイ(やたらと甘い紅茶)を飲みながら他の参加者と雑談する。UKの2人組は英語がnativeなので早口だし、マレーシアのDrも独特の訛りがあって、いずれも聞きづらい。自分だけ、英語の不慣れな東洋人なのである。まずは基本聞き役に徹するか。
12:30 ぼちぼち戻って、記念撮影なんかをしながら実習する。すぐまた昼休みになる。
13:30 再び6Fのレストランに行き、昼食を頂く。まずはインド人(マイクロコースには参加していないvisitor doctorも一緒になった)お薦めのオニオンドーサーというクレープのような生地(甘くはない)の中にみじん切りのタマネギが入っていて、カレーのようなものが添えられているもの。なかなか美味しかった。
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14:10 午後もDVDのビデオから始まった。血管吻合についての基礎から入る。実習はモモ肉を用いることになった。血管径もそこそこあり(1.5~2mmくらいか?)比較的やり易かった。午後は調子が良かった。台湾のE-DA病院でDr.Tuに教えてもらったback wall sutureを防ぐためのcontinuous sutureを実践してみる。ズームを変えながら、縫合糸が絡まないようにするのがポイントだったが、何とか出来ることが解り一安心。このくらいの径であれば手の微妙な震えはそこまで気にならない。
16:30 ひたすらモモ肉(血は通っていないが結構やり易いことが判明。今後は手軽にトレーニングするのには良い材料かも知れない)。午前中の不甲斐なさを午後は取り戻すことが出来るくらい快調だった。気分が乗ってくると結果も良くなるということが改めて良く分かった。そういう意味でマイクロってメンタルも重要だ。
17:00 初日のコースが終了した。今晩はDr.Sabapathyのお宅で食事会が開かれるということだった。暫く時間があるので、手術室を覗いてみることにしよう。
17:30 まだ何例か手術をしている。指の伸筋腱からの腱鞘巨細胞腫の切除症例をしていたが、今までに見たことがないくらい大きなものだった。よくここまで放っておいたなと思わずにはいられなかった。丁寧に伸筋腱をrepairしている。
18:00 UKからの2人組とともにDr. Hariについて手術室内を回って歩いた。英語で説明してくれるのだが、早口だし訛りがあるので、あまり理解できないのが残念。しかし、時折自分に話を振ってくれるので気を抜けない。手術室はあまり新しくはないが機能的な作りになっていた。手術室から術後回復室にすぐ行けるし、上級医師の控室もすぐ傍にある。仕事は基本が手術なのだなというのを実感する。
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18:30 また手術室に戻ってみると、火傷後の耳の感染のデブリをDr.Sabapathy自らが行っている。実に丹念に洗浄・消毒をしていたのが印象的だった。
19:00 取り敢えず、予定手術は終わったようで、これから夕方の回診に行くそうなので、またくっついて行った。
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実に多くの患者が収容されているのだが、担当医は殆どがDr.Sabapathyの名前になっている。当然下級医師が様々な下働きはするのだろうけど。回診には看護師さんたちが3-4人やって来て、しっかり指示を聞いている。実に効率が良い。医師の指示を聞きもらすまいと必死にメモっているのが印象的だった。院内にはところどころにインドのシバ神?を祀る飾りがみられるのが興味深い。
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19:45 ようやく今日のdutyが終了したようで、食事会に向かうこととなる。Dr.Hariの車に乗せてもらい、街なかのDr.Sabapathy邸に到着する。ガレージには3台の高級車が停まっており、家も立派な作りだった。
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20:00 何とも既にたくさんの人たちが到着していた。中には日本から脊椎脊髄病学会のfellowとしてやってきたという日本人2人組にも何とも奇遇に遭遇する。名古屋と大阪の先生だった。彼らも今日が初日で、既に症例数の多さなどでカルチャーショックを受けているようだった。
20:30 総勢14-5人も集まって、奥さんの手料理をみんなで頂く。アルコールはなしで飲み物は水だけだったのが面白い。南インド独特の料理でいずれも美味しかった。最後にチョコレートムースも出されかなり満腹になる。
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21:30 マレーシアからのDrたちと一緒に、病院事務の人の運転でそれぞれの宿舎に送ってもらう。インド研修初日にして、実に多くの人たちと交流を持つことが出来て有意義であった。満腹で何もすることが出来ずそのままベットで寝てしまっていた。

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