2009/12/15 手術見学の1日、夜は気分を変えて違うレストランに行ってみた [平日]

7:35 今日はちょっとゆっくり目に出発したので、病院到着は遅くなった。すぐに3Fの喫茶に向かい、チャイと揚げパンみたいな物を食べて朝食とする。
7:50 4Fの手術室に向かう。中に入ってみるが、今朝は何だか閑散としている。麻酔科の先生も一人くらいしかいないし、看護師もまだ働き始めていない感じだった。まだ手持無沙汰そうな感じだったので、手術室Nsたちを激写した。こちらの女性は小ぶりな方が多い。ちなみに、カーキ色術衣のNsが麻酔専門Ns.で青(清潔度がより高い部屋の担当)や緑(そうでもない部屋担当)の術衣のNs.は手術室Ns.なのである。
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手術予定表を見てみると、8:15分からと8:30分からが今日の始めの症例のようである。いつもは7:30分には搬入となるのだが。。。後で知ったのだが、今朝は6Fのセミナー室で何やら特別講演があったとのこと(整形外科チームのだが、医師は出来るだけ参加することになっていたらしい)。知らなかった。。。
8:30 そうとは知らずにセミナー室でインターネットをして過ごしていた。また、医師控室にへんてこなラケットのような物が置いてある。尋ねてみると、何とそれはハエや蚊を退治するツールだそうだ。ラケットの網の部分が電熱線になっており、スイッチを入れると熱くなって、それをハエや蚊にめがけてスイングするのだそうだ。その網の面で「ジュッ」と音を立てて、焼き殺してしまうのだそうだ。便利なような。。。
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9:00 もう手術も執刀されているだろうと思い、再び中に入ってみる(イチイチ着替えなければならないのが面倒)。Dr.Sabapathyが小指のGlomus腫瘍(昨日、外来で見ていたた症例。一度他院にて切除術を受けていたが再発したとのこと)の摘出術をマイクロ下に行っている。Nail bedを綺麗にrepairしているようだった。
9:20 両側足部~踵部のDegloving injuryに対して、まずは整形外科医師が腓骨骨折のORIFをしていた。その後に形成外科チームでGlacillis muscleのFree flapを行う予定になっていた。始め、両側するのかと思って凄いな~と思っていたが、本日対側は行わないとのことだった。PlateはSynshesのconventionalなステンレスプレートを用いていた。Imageは全く使用していなかった。確かに直視下なので必要ないか?日本はimageに頼り過ぎなのかも知れない。
10:00 母指IP関節のganglion症例は、IP関節のOA変化が強く、骨棘が著明にみられた。またこの頃になってようやく、マレーシアからのJaminとその友人が現れた(人の良さそうなその友人は整形外科・脊椎の見学に来ていたのだが、今日だけ形成外科チームを見に来たそうだ)。Dr.Sabapathyが準備完了後にやって来て、伸筋腱のterminal tendon部分を遠位付着部を茎にしてV字にcutして関節内を展開していた。余分な骨棘は切除していた。最終的には、指尖部より、K-wireを1本のみ刺入しIP関節固定としていた(軟骨は削っていないし、中途半端な固定のようにも思えてしまったが)。
10:40 足のDegloving injuryに対しては、Dr.Hariがやって来ていて、血管を同定していた。これからGlacillis muscleの採取に入るのだけど、手を洗わないか?と促される(また閉創役になりそうな予感・・・)。これでこちらで3例目のGlacillisのharvestingに立ち会えた。今日もじっくり技を見ておこうと思い直した。Glacillisに入って行く栄養血管の位置がKey pointになる。Adductor Magnusの筋間から立ち上がってくるが、分岐がいくつもあるので要注意である。その他は基本的にminor brunchなのでcutしても問題はない。何となく自分でもそろそろ出来そうな気になってきた。しかし、果たしてそのような機会が訪れるのであろうか?難なく採取が完了し、Dr.Hariともう一人のassist Drは、足部の方の処理に移ってしまう。何も言われてはいないが、やはり閉創担当になっていた。ドレーンを留置しナースと2人で(直介Ns.は2人ついている)しこしこと縫合していった。こちらのナースは術中にあまり表情がないのが特徴で、余計なおしゃべりは殆どしない。2人で黙々と作業しているという何となく変な感じになっていた。インドの片田舎で私は何をしているのだろうかと一瞬頭をよぎったりもする。
11:40 閉創は完了していたので(今日は血管縫合よりも早く終了できた)、暫く足部の遊離皮弁の処置・手技を見ていた。緊張が強そうなところは皮弁の位置をずらして縫合し直したり微調整を行っている。血管に関してはあまりケアしていないようだが、よほど自信があるからなのであろう。この症例は70代女性とのこと。インドでは70以上は結構高齢者の部類に入る。本日、筋皮弁の上には植皮せず、後日に行う予定であるとのことだった。
12:00 小児の指尖部損傷が隣でされている。まだ2歳くらいと小さい。指も小さいが、ルーペのみで、nail bedのrepairなどを行っていた。
12:30 またまた、足部の軟部組織欠損に対する遊離皮弁が始まっていた。こちらの執刀は、Dr.Bharathiだった。もう既にGlacillis muscleのharvestingは完了しており、レジデント医師が一生懸命、ナースと2人で閉創している(自分と同じような状況か?本当はマイクロのアシストをしたいのだが・・的な)。
12:50 血管の剥離などのprepairingに多少手間取っていたので、6Fに昼食をとりに行って来た。今日もMealsという大皿にライスと各種カレーがのった盛り合わせをオーダーしてみた。急いで平らげる。
13:10 再び、free flapの部屋に戻る。マイクロ下の縫合を行っていた。テレビモニターに手技を映してくれるので、大変参考になる。強いて言うと、実際術者が見ている視野とモニターに映し出される視野が若干異なってしまうことである。1本の静脈が血栓を作っていたようなので、Saphenous veinを使用したとのこと。最終的には2本の静脈と1本の動脈の吻合を完了した。1本の静脈は口径差が若干あったのだが、通常通りの縫合のみで終了した。クランプ解除後は静脈の壁の裂け目?よりleakが見られたので、2針追加縫合を加えて事なきを得た。
13:40 こちらの症例は、筋皮弁の上に分層植皮を行っていた。午前中の症例との違いは患者の年齢と術者である。いずれも重要な要素かも知れない。
14:00 Dr. Sabapathyが環指のPIP関節の高度OAに対して、関節固定術を今まさに行っていた。掌背側両方より展開し、拘縮の原因を取り除いていった。基本、骨性要素mainだと思うが。
15:00 何故か、上腕骨骨幹部骨折(閉鎖性)のORIFをここplastic surgery op. roomでしている。執刀医師は整形外科の先生のようである。部屋の関係だろうか?時々あるらしい。ほぼ中央レベルでの横骨折で、腹側からopenで展開していた。髄内釘は殆ど使わないとのこと。Plateは安いしimageも使わなくて良いからだそうである。手術は医師1人で看護師が鉤引きをしていた。しかし、使用していたplateが4.5mmのナロープレートのようだったが、5穴か6穴とちょっと短いように感じたが。。。
15:30 下腿の挫滅創後の創の感染と軟部組織壊死に対して、創のデブリドマンと植皮術が行われていた。執刀は今まであまり見たことがない結構年輩のDrである。おそらくconsultant医師なのだろう。名前は聞けなかった。この病院では、この種の手術がかなり多いように思われる。その軟部組織欠損の程度が酷ければ局所皮弁なり遊離皮弁になる訳だ。デブリには採皮用のカミソリを使用していた。
16:00 急患手術として、小児のアキレス腱 断裂がやって来ていた。これはplastic surgeonが扱うそうだ。開放創である。7歳だそうだが小柄な幼児にも関わらず、腰椎麻酔で行っている。術中は静脈麻酔か何かで寝かせているようだった。縫合は0ナイロン?でケスラー縫合を2回ほど、後は辺縁の連続縫合を行っていた。2週間のAKギプスでその後4週間BKギプスにすると言っていた。その後から徐々に角度を変えて装具で経過をみるらしい。日本の早期運動療法よりはかなり遅れている感じだ。やはり縫合方法に問題があるのかも知れない。細かいことは語らなかったが、マレーシアのDr.Jeremyには日本流を軽く自慢しておいた。
17:00 今日の手術は特に今のところは予定されていないようだったので、ロッカー室で若手Dr.やMr.Ravi(マイクロコースで色々準備やら手伝ってくれた人、もとは手術室の看護士のようだ)などとダベッていた。ヒンディー語で自分の名前を書いてもらうと、Zeの発音がヒンディーのオリジナルにはないようで、考え込んでいた。お礼に彼の名前を日本語で書いてあげると、珍しそうに眺めて喜んでいた。どこの国の人でも漢字は神秘的に映るのだろうか?Raviには「裸美」と書いてあげて、意味深にニヤツイておいた。
17:30 今晩にDr.Sabapathyがトルコのインスタンブールへ出張に行って暫く帰って来ないということなので、Dr.Jeremyと一緒に感謝とお別れの挨拶をしに行った。自分の語学力のなさ(インド英語は聞き取りが難しいのもある)のため、あまり深い会話までは出来なくて残念だったが、人柄も陽気で技術も素晴らしいドクターに会えて良い経験となった。仕事が好きなんだろうなというのが印象であった。忙しそうにしていたので、写真撮影を頼めなかったのが悔やまれる。
18:00 セミナー室でちょっと仕事をしてから本日のお勤めを終了とする。今日はまだ薄ら明るいし、歩いてロッジまで戻ろうと思い立った。
18:30 予想以上に道路は埃っぽいし、クラクションの音が煩かった。途中暗いトンネルを通った時は若干怖かった。見慣れた明るい街並みに出てくるとちょっとホッとする。帰り際に本屋やスーパーに立ち寄ってみた。スーパーではリュックサックを中に持って入れない(入口で止められ預けさせられる)。トボトボと30分くらいかけてロッジに到着した。
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19:00 軽くシャワーを浴びた後、向かいのロッジに長期滞在しているというガンガホスピタルの麻酔科医師の所を訪ねていくが、今日は夜勤業務ということで不在だった。一人でレストランに向かった。今日は趣向を変えて別の場所を探してみた。
19:00 あまり大きくないホテルの一角にあるインド・アジア系レストランに入る。結構綺麗で整頓されているが、お客が一人もいず、少し不安になる。メニューを見せてもらい、値段をcheck。少し高いかも知れないが、諦めてここにした。
20:00 ガーリックナンとマサラマトンカレー、チキンコーンスープとアイスクリームというメニューにしてみた。いずれも予想以上に美味しくてホッとする。満腹となっていたが、目の前の露店でマンゴージュースを買ってロッジに戻った。
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